セルロースセメント?ウレタン?…
エポキシ?
コーティング剤ってどれが良いの?
ハンドメイドルアーのコーティング方法には様々な方法があり、また使用するコーティング剤も様々な種類が存在しているのです。
現在もどの方法が良いのか、もっと良い手順はないのか、などなど試行錯誤中・模索中のみこりおです、お世話になっております。
私は今まで「ルアーのトップコートといえば」と言っても過言ではないメジャーな3種類のコーティング剤でのトップコートを試み、それぞれの特徴やメリット・デメリットなどもなんとなく解かってきた気がしています。
ルアービルダーの方や塗装やコーティングの玄人の方から見れば、まだまだかもしれませんが…失敗も少なくなってきておりますのでご容赦を。
この記事では、ハンドメイドルアーのコーティング剤
セルロースセメント・ウレタン・エポキシ
3種類のコーティング剤の特徴やメリット・デメリット
これらについてを記します。
私も何度も失敗してきましたし、非常に悩む工程でしょう…
しかしそこで挫折し、『もう自作なんて止めだ』『ハンドメイドルアーなんて楽しくない』なんて思ってほしくはありません。
是非とも「自分の作ったルアーで魚を釣る」という魅力あふれる世界を堪能していただきたい。
特にこれからハンドメイドルアー製作を初めてみよう、という方や初めてのトップコート作業に挑まれる方のご参考になれば、と思います。
ハンドメイドルアー、コーティング作業の注意点
まずはじめに、コーティングの作業を行う前提として最も重要な保護具類についてお話しさせていただきます。
コーティング剤は有機溶剤を含むモノが多く、また作業において希釈用の有機溶剤を使用する事もあります。
換気を行う事はもちろん、保護具の着用は徹底してください。
保護具や有機溶剤を扱う際の注意点などは、
▼コチラの記事をご参考に▼
セルロースセメント(ニトロセルロースラッカー)でコーティング
ハンドメイドルアーのトップコートといえば「セルロースセメント」と言っても過言ではないほどメジャーなコーティング剤であり、希釈によりアンダーコート・下地作りにも使用できます。
▼セルロースセメントの概要・アンダーコートに関してはこちらの記事をご参考に▼
セルロースセメントのメリット
- コストパフォーマンスが良い
- 美しくかつ強固な被膜
このあたりでしょうか?
作業方法はディッピング・どぶ漬けで行う事を前提にお話しします。
熱可塑性樹脂であるため、有機溶剤の揮発によって粘度が高くなった場合でも有機溶剤を添加し希釈、再度の使用が可能。
後述するウレタンなどに比べると長期に渡って使用が可能であり、コストパフォーマンスに優れ、また見た目が非常に美しく仕上がります。
そしてこれも熱可塑性樹脂の特性ゆえに塗り重ねることで下の層を溶かしながら厚い、強固な1枚の被膜を形成することも特徴でしょう。
セルロースセメントのデメリット
- 色流れ
- 白濁
- コーティング作業に時間がかかる
- 被膜が溶ける
トルエンなど芳香族炭化水素系の有機溶剤にて希釈されており、強力な溶解力があるので塗装を溶かしてしまう、いわゆる「色流れ」を起こす可能性があり、対策の為に色止めの作業に気をつかわねばなりません。
「色流れ」を防ぐ「色止め」の方法についてはルアーの色止め5つの方法、色流れにさよならを、トップコートにもう悩まない、という記事にてご紹介していますのでご参考に!
また湿度により白濁するおそれがあり、時期や環境によっては難航するかも?リターダーの添加により解消はできますが、リターダーの添加の割合なども考慮しなければならず、経験や練度が必要、また考察や分析による知識も要します。
そして1回のコーティング作業で形成できる被膜は薄く、厚い被膜を求めるのであれば回数を重ねる必要があり時間がかかります。
さらにこれも熱可塑性樹脂であるがゆえんなのですが、硬化後の被膜も有機溶剤や可塑剤などで溶解する可能性があり、ハンドメイドルアーを製作する方であれば使用している溶剤や、釣りを嗜む方であればワームの添加剤として可塑剤が添加されている可能性があり、それらに触れると溶けてしまう可能性がある、ということも知っておかなけばなりません。
1液性ウレタンでコーティング
1液性ウレタンのメリット
- 少ない回数で厚い被膜
- 作業が速い
- 色流れしづらい
こちらもディッピング・どぶ漬けを前提にお話しさせていただきますが、1回のドブ漬けでも厚い被膜を形成する事ができます。数回程度の作業で厚い被膜が形成ができる、つまりはコーティング作業の時間を短縮することが可能。
そしてセルロースセメントに比べれば、という話ですが色流れはし難いので比較的、簡単にコーティング作業を行うことができます。
1液性ウレタンのデメリット
- 被膜の脆さ
- コストパフォーマンスが悪い
- 保管に手間がかかる
- 硬化後に黄色く変色
ウレタンはセルロースセメントとは異なり、下の層を溶かしながら1枚の被膜を成形するのではなく、層を積み重ねる用に、言うならばクロワッサンのように成形します。
硬度自体も決して高くはありません。キズが入りやすく、そこから『ペリペリッ』と剥がれてしまう事があるのです。
また空気中の水分と反応し硬化をするため保管に気を使います。乾燥剤とともにジップロックに封入し冷暗所で保管と、それなりに厳重に保管していても、しばらく放置しておくといつの間にか粘度が高すぎて使えない、硬化して使えなくなっていた、なんてことも…
さらに『綺麗に塗装できた!コーティングがうまくいった!』と思っていたら…硬化後に黄色く変色してしまうというトラブルもありえます。
2液性エポキシでコーティング
2液性エポキシのメリット
- コストパフォーマンスはまあまあ
- 少ない回数で厚い被膜
- 作業が速い
- 保管が容易
- 色流れしない
- 有機溶剤を含んでいない
こちらに関しては筆塗りでのコーティングする方法、を前提にお話しさせていただきます。
2つの液体の含有物の化学反応にて硬化しますし、筆塗りをしているので必要量を混合し使用するので経年による劣化の可能性が少なく、コストパフォーマンスは割と良いです。
ただしモノ自体の値段はそれなりで(セルロースセメントやウレタンに比べれば高いので)コストパフォーマンスはまあまあ、というトコロですね。
さらに保管が楽!さほど気を遣う必要はありません。
またこちらも下の層の硬化まえに塗り重ねることで、1枚の強固な被膜を形成することが可能です。
そして最もメリットといえるのは有機溶剤を含んでいない事。
塗装を溶解することがない、つまり色流れの心配をする必要がなく、色止め作業の手間がありません。
加えて保護マスクが必要なく、換気は…独特のにおいがするので多少は換気をするのが良いでしょう。
2液性エポキシのデメリット
- 下地がエポキシをはじく
- コーティングがデコボコに
「はじく」という表現でおわかりいただけるでしょうか?塗装面がエポキシをはじき、ムラができる、コーティングがデコボコになってしまう事があります。
エポキシコート剤のメーカーによる差異もあるかもしれませんし、塗装面の状態などにも左右されれしまいます。
例えば素手で触ってしまい、皮脂が付着していた場合など、しかしコーティング前にパーツクリーナーなどで脱脂しておけば大丈夫。
塗面がそもそもはじいてしまう、というケースではなく、筆塗りであるがゆえ凸凹になってしまうのであれば3Dコーターを用いることで解消が可能。
最近、私がよく使用しているコーティング剤であり、失敗しずらいのでおススメなのがコチラ⇓
その他のコーティング剤
その他にも2液性ウレタン、UVレジンなどもあります。
どちらも良さそうな気がしていますし「試してみたいな」とは思っています。しかし私はこれらを使用した事がないので詳しいご説明はできません。
またいづれ…
ルアーのコーティング、3種類の特徴、さいごに
今回は3種類のトップコート剤についてお話しさせていただきました。
それぞれにメリット、デメリットがあり一概にこれが良いとは言えませんが『どの方法が良いのだろう?』とお考えでしたらご参考に!
ちなみに最近の私は「エポキシの筆塗りが良いかな?」と思いつつ、方法なども試行錯誤中です。
あなたのハンドメイドルアーライフを楽しんでいただければ幸いです。
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