『川』とも表現される強い潮流にさらされ、切り立った黒い磯に弾けた白い飛沫が舞う…
澄み切り美しいはずの海が、吹きすさぶ強風にざわめき立つ…
そんな荒磯にて有効なルアーといえば…ポッパーです。
目が悪いといわれる青物の反応が鈍いローライト時、ダイビングペンシルに反応がないケース、または、まともにアクションさせる事ができないような荒れた海、でも効力を発揮します。
沖磯に潜むヒラマサを誘い出す為の武器・ポッパー…『自作してみよう!』と考えたことはないでしょうか?
しかしながら、ハンドメイドルアー初心者の方であれば、
そもそもどうやって作るの?
必要な工具や材料は?
こんな疑問をお持ちかもしれません。
なので今回は、
ヒラマサ用ウッドプラグ・ポッパーの作り方
その一連の工程・手順
これらについてを記します。
実際に私も製作しながら、ご説明させていただきますのでご参考に。
自分で作ったルアーで釣り上げたヒラマサ、手にした瞬間の感動を、是非とも味わってほしいと思います。
ヒラマサ用ウッドプラグ・ポッパーの作り方
私はルアーの上からみて、左右を張り付ける工法を主に製作しており、今回もその方法となります。
まず一連の工程についてご説明しましょう。
- 設計、製図
- 貫通ワイヤーの製作
- ボディーの成形(木材の加工)
- アンダーコート(木材の下地処理)
- サフ吹き(塗装のための下地処理)
- 塗装や装飾
- トップコート
おおまかに言えばこの7工程になるかと思います。これを順番に、詳しくご説明していきます。
また必要な工具や材料類は非常に多いので各工程、詳細にてご紹介させていただいております。
①ポッパーの設計・製図
今回つくりたいルアーは、
- ヒラマサ狙い
- ポッパー
- フローティング
- 素材はウッド(私の場合は桧・ヒノキ)
- 沖磯仕様⇒後方重心+丸みのあるフォルム
こんな設計となります。私はこの手のルアーを何度も製作しているので、過去の製作実績を参考にしながら170mm、90gあたりのモノが目標。
製図した図面が⇑コチラです。
この尺八?チャルメラ?なんとも言えない形状、この形状は沖磯の強風下でも非常に安定した飛行姿勢、と飛距離を生み出す事ができるのです。
▼設計について詳しくは▼
▼木材の選定については▼
②ウッドプラグ用貫通ワイヤーの製作
続いて行うのが貫通ワイヤーの製作、ヒラマサ狙いのルアーなので当然、貫通ワイヤー式です。
またヒラマサやその他大型青物、もしくはマグロやGTなど、大物狙いの場合は貫通ワイヤーに補強をする事も重要!
この方法についてもコチラ⇓で詳しくお伝えしています。
▼手順、必要な材料も含め詳細は▼
③ウッドプラグのボディーを成形(木材の加工)
この工程はなかなか大変な作業となります、木材の切断、加工、研磨などを行わなければなりませんから。
ノコギリ、ハンドサンダー、ノミ、彫刻刀、サンドペーパーなどを使用し行うと力仕事は多くなりますし、時間もかかります。
私は電動工具、ブラックアンドデッカーマルチツールエボ、電動ルーター、を使用しているのでそこまで苦痛ではありません。
またポッパー製作の難点、カップ部の加工にも、ルーターは必須です。
▼手順、工具の詳細は▼
④ウッドプラグのアンダーコート(下地処理)
私は「アンダーコート」と言っていますが、「木固め」という言い方もあるかも?
トップコート剤としてもお馴染み、セルロースセメントへのドブ漬けの工程。
ボディーの素材が木材ですので、防水、そして強度をもたすための下地処理を行います。
▼手順、材料の詳細は▼
⑤塗装前のサフ吹き(サーフェイサーで下地処理)
サーフェイサーというパテを含んだ塗料の1種を使用し、素地の傷を埋め、塗装のための下地を作らなければなりません。
これが「サフ吹き」という工程です。
この工程を経ることにでより良い塗装を実現する事が可能!
手順が増え、面倒ではありますが美しく仕上げたい場合、この手間は惜しまないのが良いでしょう。
『自分用のルアーだから、まあいいや』という方はこの工程は省いても大丈夫です。
▼手順の詳細は▼
⑥ウッドプラグ、塗装と装飾
個人的には設計に並び、好きな工程です。みなさまもそうではないでしょうか?
『どんなカラーが良いかな~』と悩むのは楽しいモノですよね。
▼手順の詳細は▼
⑦ウッドプラグのトップコート
遂に最終工程、そして最後の最難関の工程です。聞いたことがあるのではないでしょうか?「色流れ」という言葉を…
やっと辿り着いた最終工程、ここで色流れをおこしてしまい、おかしなカラーに、なんて笑えませんよね。私も何度も失敗しております。
しかし恐れるなかれ、私が最近もっとも良く使用している、2液性エポキシコートであれば心配はありません。私は今のトコロ色流れをおこした事はありませんし、おすすめです。
▼手順や道具の詳細は▼
実釣テスト!ヒラマサ用ポッパーの実力は?
170mm、93g(フックなし)のポッパーが完成、スイムテストや試投もするべきでしょうが、さっそく沖磯・ロックショア実釣!
私、みこりおの裏の顔、が運営する別のブログメディアの記事をご参照ください。
残念ながら、ヒラマサを釣り上げる事はかないませんでしたが、ハマチorヤズ(ブリの幼魚)や小型のカンパチを釣り上げる事ができており、青物に有効なルアーであるのは間違いないでしょう。
ヒラマサ用ウッドプラグ、ポッパーの作り方、さいごに
今回はヒラマサ用ウッドプラグの作り方、一連の手順についてをお伝えしました。
是非ともチャレンジしてみてください。
自分で作ったハンドメイドルアーで魚を釣り上げる、とは本当に素晴らしい事です。
私もいまだ、忘れる事ができません、初めて自作ルアーで釣った魚の事を…
たいした大物でもないのに、腕が震え、膝が震えたあの時を、是非とも体感してほしいと願っています。
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