ハンドメイドルアーにおける設計の重要性と設計図について、これが最も大切な工程です

design 作り方・製作工程

お世話になっております、みこりおです。

まずはじめに「ハンドメイドルアーを自作しよう!」とお考えの皆様に質問があります。

ルアー製作に取り掛かる前段階において…【設計】を行っているでしょうか?

こみおり
こみおり

設計??

設計図を描けばよいの?

もちろん製図・設計図を描くことも必要ですが、【設計】とは顧客との折衝(顧客の求める性能、予算、または納期や工期などについて打合せや調整を行う事)に始まり、材料の選定、構造の決定、製作方法の検討や納期管理など多岐にわたります。

そして、これはものづくりにおいて最も重要、といっても良い工程となります。

こみおり
こみおり

え!?

なんだか難しそう…

【設計】という職務に従事した事がない方には、なじみのない言葉もいくつか並べてしまったので、そう思ってしまわれる方もいらっしゃるかもしれません。

この記事では、なるべくわかりやすく、簡単に、

ハンドメイドルアー・自作における設計設計図について

その重要性

その手順

これらについて記します。

適切に設計を行うことで『なんか思ってたのと違う…』といった製作時のミスは少なくなりますし、製作期間の短縮に繋がったり、次回作りたいルアーのアイデアを閃いたり、と様々なメリットも享受できます。

今までこの設計の工程についてあまり考えた事がない方、これから初めてハンドメイドルアー製作に挑戦しよう、という方は参考にしてください。

またハンドメイドルアーの作り方のアウトライン、一連の製作工程についてはコチラ⇓の記事をご参考に。

ハンドメイドルアーの設計について

今回私がお伝えしたいのはハンドメイドルアーを自作する際の【設計】について、そして自分で使うためのルアーを自分でつくりたい、とお考えの方に向けてです。

つまり販売などを考えているのではなく『自分でつくったルアーで魚を釣り上げたい!』と考えている方のための記事になります。

よって先に、設計の際に行うべきいくつかの工程について触れましたが、そのうちの顧客折衝などは難しく考える必要がありません。

顧客折衝とはお客様と打ち合わせなどを行いつつ、その要望・求める性能などをヒアリングしながら現実的に製作可能・提供可能なものを提案していく、そして納期や工期、または予算などについても、いわば折り合いをつける様な工程の事です。

しかし自分の為のルアーを作るわけですから、簡単ですよね。

また場合によっては予算や納期なども同様です。「自分の理想とするルアー」、「自身の求めるルアー」を作る為であれば費用がかかる事や時間がかかる事、などは気にする必要などないかもしれません。

自分がどの様なルアーを作りたいのか?例えば大きさ、動きなどのイメージを具体化し、どの様な形状か?どんな材料が必要か?などを考え設計図を製図しておく事、これが最も大切なことであり、今回お話しする【設計】の主な内容となります。

ハンドメイドルアー設計の具体的な方法、設計図について

①自作したいルアーのイメージを具体化する

本来の設計の業務であればお客様と打ち合わせを何度も行い、その際のヒアリングにて詰めていくetc.…というなかなか大変な作業なのですが、今回は自分のために作るルアーの場合です。

どんなルアーを作りたいのか?』を考えてください。もしくは『どんなルアーが欲しいのか?』と考えるほうが簡単でしょうか?これをイメージしてください。

しかしこれも最初は難しいかもしれません。それならば市販のルアーを参考にするのも良いでしょう。

今回は私が考えたものを一例として記していきます。

  • ロックショア(沖磯)でのヒラマサ狙い
  • トップウォータープラグでポッパー
  • 素材はウッド
  • 沖磯での強風下でもキャストできる後方重心
  • アクションはダイビングポッパーだがナチュラルめ
  • カラーは…

これ以外にも極力具体的に、自分の理想を書き出しておくなどするのが良いと思います。

しかし後で変更する事も可能ですし、これに縛られる必要はありません。特にカラーなどは色々試してみたいですし迷ってしまうので、後で考えても良いかと。

そして既存のルアーを参考に同等の物を設計する、手順でご説明していきます。

②設計図の書き方、ルアーのイメージを製図、もしくはトレースする

「トレース」とは原図を敷き写す事、を意味します。

今回は目標とするルアーを用紙上に置き、外形を書き写します。

tracing 1

輪郭を描き写せたら、アイの位置もマークし、内部構造を想像しながら考えていきましょう。

今回、私の設計する参考例としては、

  • ロックショア(沖磯)でのヒラマサ狙い
  • 沖磯での強風下でもキャストできる後方重心
  • アクションはダイビングポッパーだがナチュラルめ

このあたりの条件を勘案しながら、貫通ワイヤーで後方重心、ベリーアイ付近にもウエイト配置、などの構造を決めながら製図・設計図を書いています。

市販品のクリアカラーの同等品などを参考にして考えるのも良いでしょう、内部構造を簡単に見る事ができるので。

さらに制作に必要となる寸法をスケールやノギスで測長し、書き加え…

design

上画像の様な設計図が描ければ製図は完了となります。

この設計図は後のルアーを製作する際、に非常に重要な役割を担うモノです。

設計の段階で製図した設計図に製作後のデータや使用した際の不具合なども記載しておけば、それは立派なデータベースとなります。

「以前製作したルアーはこうだった、だから次はここを改良して…」と自身の求めるルアーを追求していくうえで、この上ない資産となるからです。

③設計したルアー製作に必要な材料の選定

これも設計において重要な事項です。

自分の為のルアーを作る訳ですので、自身の理想を叶えるルアーを実現するために必要な材料を選ぶ、という工程になります。

選定しなければならない材料は、

selection of materials
  • ボディの素材
  • 貫通ワイヤー
  • ウエイト

私の設計例では素材はウッド、としているので木材の種類を選ばなければなりません。

ルアー制作に使用する木材といえばバルサを思い浮かべる方が多いかもしれませんが、利用できるモノは他にも多数あります。例えばファルカタ、桐、桧(ヒノキ)、ホワイトパイン、アガチス、バスウッド、アユースetc…

それぞれ強度や比重が異なる為、対象とする魚種や作りたいルアーの種類を勘案し選定する必要があります。

私のように大型魚狙いのルアーを製作するのであれば、木材自体に強度や比重を求め選定するケースなども。

木材の種類、その選定などは材料自体が数多く、それぞれの特徴などについて記すと記事が長くなりそうですので…

木材ついて詳しくは

次に貫通ワイヤーですが、私の場合は1.4mm以上を選定しています。対象魚種から必要な強度を計算し選定すべきモノですが、参考にするルアーや同等のルアーのアイをノギスで測定し、同じ太さを選ぶのが簡単です。

そしてウエイトですが、私は中通しオモリのナツメ型や丸形またはバレットシンカーなどを使用しています。調整用に追加する場合には板オモリやチューニングシンカーなどが良いでしょう。

重量やバランスは数をこなし、自身の求めるアクションや飛距離を満足させる設計を追求していくしかないと思います。

初めての場合はやはり市販品などを参考にするのが良いですね。

ハンドメイドルアーの設計、設計図について、さいごに

今回はハンドメイドルアー製作における設計という工程、その手順について、設計図についてをお伝えしました。

【設計】についてその重要性や必要な作業、をおわかりいただけたでしょうか?

またさいごに設計図の製図について、私はハンドメイドルアー製作においては設計の段階では紙に手書きをし、製作完了後にCADで製図し保存しています。

データとして保存したり、修正、変更する場合にはCADデータとしておく事の利便性が大きいからです。

また、たまに勘違いをしている方をお見受けするのですが、設計とはその【モノづくり】についてを考える工程であり、CADでの設計図の製図、やPCでの作業はその付帯作業に過ぎません。

設計や製図においてCADは必ずしも必要、という訳ではなく「あったら便利だよ!」程度のツールに過ぎませんので、そこもご理解いただきたい。

ハンドメイドルアー製作における【設計】とは、あなたの求めるルアー、あなたの理想を叶えるルアーとは何なのか?それを実現するためには何が必要なのか?何をすればよいのか?を考える工程の事なのです。

あなたがいつか…自身の求める最高のハンドメイドルアー、に辿り着くことを祈っております。

▼次の工程、貫通ワイヤーの製作については▼

またハンドメイドルアー製作を本から学ぶ、というのも良いかと思います。

以前にハンドメイドルアーを本から学ぶ、プロの知識に触れるおすすめの書籍をご紹介しているので参考にしてみてください。

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